【要注意】夫婦でも贈与税はかかる!非課税になるケースと計算方法

「配偶者に財産を渡したいけど、贈与税がかかるのでは?」と心配されている方は多いのではないでしょうか?

基本的に、夫婦間であっても贈与税は発生します。ただし、生活費の範囲内や年間110万円までの贈与は非課税です。さらに「配偶者控除」(特例2,000万円+基礎控除110万円)を活用すれば、最大2,110万円まで非課税にできます。

本記事では、夫婦間の贈与で税金がかかるケース・かからないケースを具体的に解説します。相続対策としての活用法もご紹介しますので、ぜひ最後までご覧ください。

1.贈与税がかかるケース

夫婦間の贈与であっても、基本的には贈与税がかかります。

特に注意が必要なのは、以下の2つのケースです。

  • ・高額な贈与をした場合(高級時計、車、アクセサリーなど)
  • ・不動産購入時に持分割合と資金負担が一致していない場合

それぞれを詳しく解説します。

  •  

1-1.高額な贈与をした場合

夫婦間であっても、高級車や高額なアクセサリー、ブランド品などをプレゼントすると贈与税の対象になります。

年間110万円を超える贈与には贈与税がかかるため、高額なプレゼントには注意が必要です。

たとえば、300万円の高級時計をプレゼントした場合、(300万円−110万円)×10%=19万円の贈与税がかかります。

1-2.不動産購入時の持分割合に注意

特に、夫婦で不動産を購入するときに贈与税課税されやすいので注意が必要です。

たとえば、4,000万円の住宅を購入し、夫が全額資金を出して購入したとします。この不動産を夫婦で2分の1ずつの共有名義にすると、妻の持分2,000万円分が夫からの贈与とみなされます。

なお、住宅ローンを夫婦で組む「ペアローン」や「連帯債務」の場合は、それぞれが実際に返済する割合に応じて持分を決めれば贈与税は発生しません。

資金の出し方と持分割合を一致させることがポイントです。

2.贈与税がかからないケース

夫婦間の贈与でも、以下の3つのケースでは贈与税がかかりません。

  • ・普段の生活に必要なお金のやり取り(扶養義務範囲内)
  • ・年間110万円以下の贈与(基礎控除の範囲内)
  • ・配偶者控除が適用される居住用不動産の贈与(婚姻20年超、最大2,110万円(併用))

それぞれ詳しく解説します。

2-1.普段の生活に必要なお金

夫婦間では、日常生活に必要なお金のやり取りには贈与税が発生しません。たとえば、以下のケースが該当します。

  • 夫が毎月の給料を妻に渡す
  • 家具や家電を買うためのお金を渡す
  • 学費のための資金を相手に渡す

これらは「扶養義務の範囲内」とみなされるため、金額が大きくても非課税です。

ただし、生活費として渡したお金を貯蓄や投資に回すと贈与とみなされる場合があります。あくまで「生活のために使う」ことが条件となる点にご注意ください。

2-2.贈与税の基礎控除の範囲内

贈与税には毎年110万円までの控除(基礎控除)が認められます。そのため、1年間に受け取った贈与の合計が110万円以下であれば贈与税はかかりません。

この控除は、贈与を受ける人ごとに適用されます。

たとえば、夫から妻へ100万円、親から妻へ100万円を贈与した場合、妻が受け取った金額は合計200万円です。

基礎控除の110万円を超えるため、妻は贈与税の申告が必要になります。

なお、基礎控除は毎年リセットされるため、計画的に活用すれば節税効果が期待できます。

2-3.夫婦間の贈与に関する特例(配偶者控除)が適用される場合

婚姻期間20年以上連れ添った夫婦間で居住用不動産やその購入資金を贈与した場合、基礎控除110万円と特例控除2,000万円を併用し、最大2,110万円まで非課税になります(「おしどり贈与の特例」)。

この特例の適用を受けるには、以下の要件を満たす必要があります。

  • 婚姻期間が20年を超えている
  • 贈与された財産は居住用の不動産またはその購入資金である
  • 翌年3月15日までに受贈者が実際にその家に住み始め、住み続ける見込みがある
  • 同じ配偶者間で初めて適用する

ただし、非課税となるのは贈与税のみです。不動産取得税と登録免許税は別途かかるのでご注意ください。

なお、特例適用後の税額がゼロになる場合でも、申告は必要です。

3.夫婦間で贈与税がかかった場合の計算方法

夫婦間の贈与で110万円を超えた場合、贈与税の申告と納付が必要です。

ここでは計算方法と具体的な計算例を解説します。

3-1.贈与税の計算式と税率

贈与税は以下の計算式で求めます。

(贈与額 − 基礎控除110万円)× 税率 − 控除額 = 贈与税額

税率は贈与額に応じて10%〜55%の累進課税になります。一般的な夫婦間贈与に適用される「一般税率」は以下のとおりです。

基礎控除後の課税価格 税率 控除額
200万円以下 10% なし
300万円以下 15% 10万円
400万円以下 20% 25万円
600万円以下 30% 65万円
1,000万円以下 40% 125万円
1,500万円以下 45% 175万円
3,000万円以下 50% 250万円
3,000万円超 55% 400万円

 

3-2.具体的な贈与税の計算例

実際にいくら贈与税がかかるのか、具体例で見てみましょう。

【例1】夫から妻へ300万円を贈与した場合

【例2】夫から妻へ500万円を贈与した場合

【例3】夫から妻へ1,000万円を贈与した場合

贈与額 課税価格 税率/控除 税額
1 300万円 190万円 10% 19万円
2 500万円 390万円 20% -25万円 53万円
3 1,000万円 890万円 40% -125万円 231万円

 

このように、贈与額が大きくなるほど税率が上がり、負担も大きくなります。

高額な贈与を行う場合は、配偶者控除や基礎控除の計画的な活用を検討しましょう。

4.夫婦間贈与で注意すべきポイント

夫婦間のお金のやり取りは、意図せず贈与税の対象になることがあります。 特に注意すべきポイントは、以下の3つです。

  • ・名義預金
  • ・へそくりの税務リスク
  • ・贈与契約書を作成すべき理由

それぞれ詳しく解説します。

4-1.名義預金とみなされるリスク

名義預金とは、口座の名義人と実際の資金提供者が異なる預金のことです。

たとえば、夫の給料を妻名義の口座に振り込み続けた場合を考えてみましょう。

口座名義は妻でも、お金を稼いだのは夫です。この場合、税務署は「実質的には夫の財産」と判断することがあります。

相続が発生した際、名義預金は夫の相続財産として扱われる可能性があります。結果として、相続税の申告漏れを指摘されるケースも少なくありません。

名義預金を避けるには、課税対象でないかを意識し、契約書で贈与の事実を明確にしておくことが重要です。

4-2.へそくりの税務リスク

専業主婦(主夫)が生活費を節約して貯めた「へそくり」も注意が必要です。

生活費として渡されたお金を使わずに貯蓄した場合、贈与とみなされる可能性があります。これは「生活費は生活のために使う」ことが非課税の条件だからです。

特に相続時には、へそくりの原資が誰のお金かが問題になります。夫の収入から貯めたへそくりは、夫の相続財産と判断されることがあります。

へそくりを自分の財産として残したい場合は、正式に贈与を受ける形にしましょう。

4-3.贈与契約書を作成すべき理由

夫婦間の贈与でも、贈与契約書を作成しておくことを推奨します。

贈与契約書があれば、以下のメリットがあります。

  • ・贈与の日付・金額・当事者を明確に証明できる
  • ・名義預金ではなく正式な贈与であることを示せる
  • ・税務調査の際に贈与の事実を立証しやすい

契約書がなくても贈与自体は成立します。しかし、後から「贈与だった」と証明するのは困難です。

特に高額な贈与や不動産の贈与では、必ず契約書を作成しておきましょう。

まとめ

夫婦間の贈与でも、基本的に贈与税は発生します。ただし、以下の場合は非課税です。

  • ・生活費や教育費など日常的なお金のやり取り
  • ・年間110万円以下の贈与(基礎控除)
  • ・婚姻20年以上で居住用不動産を贈与((特例2,000万円+基礎控除110万円)で最大2,110万円まで非課税)

一方で、名義預金やへそくりは意図せず課税対象になることがあります。夫婦間でお金を移動する際は、贈与契約書を作成しておくと安心です。

贈与税の計算や配偶者控除の適用判断は複雑です。高額な贈与や不動産の贈与をお考えの方は、専門家への相談をおすすめします。

当事務所では税理士とも連携し、生前贈与や相続対策のご相談を承っております。

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FAQ

Q:専業主婦が夫の給料でへそくりを貯めたら贈与税がかかる?

A:へそくり自体に贈与税がかかることは通常ありません。ただし、相続時に問題になる可能性があります。夫の収入から貯めたへそくりは、税務署から「夫の財産」と判断されることがあります。相続税の申告漏れを指摘されないよう、高額になる場合は正式に贈与を受けておくと安心です。

 

Q:夫婦で住宅ローンを組む場合、贈与税は発生する?

A:ペアローンや連帯債務で住宅ローンを組む場合、基本的に贈与税はかかりません。ただし、持分割合と実際の返済負担割合を一致させることが条件です。たとえば、夫が7割・妻が3割を返済するなら、持分も7:3にする必要があります。割合が一致しないと、差額分が贈与とみなされる可能性があるのでご注意ください。

 

Q:配偶者控除を使った後に離婚したらどうなる?

A:配偶者控除を適用した後に離婚しても、控除が取り消されることはありません。贈与時点で婚姻20年超等の要件を満たしていれば、その後の離婚は影響しません。ただし、離婚時に税務調査で特例適用の実態が厳しく審査される可能性があります。正当な理由(居住用不動産の名義変更等)を明確に説明できる書類を準備してください。

 

Q:生命保険の受取人を配偶者にした場合は贈与になる?

A:受取人を配偶者に指定しただけでは税金はかかりません。保険金を実際に受け取ったときに契約者・被保険者・受取人が誰かによって、相続税・所得税・贈与税のいずれかが課税される可能性があります。契約形態によって課税関係が変わるため、加入時に確認しておくことをおすすめします。

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