相続法改正|遺言執行者の権限が明確化

遺言書を作成するときには「遺言執行者」を定めることができます。

従来も遺言執行者を選任できましたが、法改正によって遺言執行者の権限が明確化されました。

今回は改正相続法によって遺言執行者の取扱いがどのように変更されたのか、解説します。

 

1.相続人の代理ではなく独立の立場で遺言執行できることが明確になった

これまでの民法の規定では「遺言執行者は相続人の代理として」業務を行うと規定されていました。しかし遺言執行者は必ずしもすべての相続人の利益のために活動するものではありません。相続人から「代理なのに相続人に不利益なことをするのはおかしい」などとクレームが来るケースもみられました。

そこで改正法では「遺言執行者は相続財産管理や遺言執行に必要な一切の行為をする権利義務を有する」として、独立の立場で業務を進められることが明らかになりました(改正民法10121項)。

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2.第三者への委任をしやすくなった

これまでの民法の規定では、遺言執行者が第三者へ包括的に遺言執行業務を委任するには「やむを得ない事情」が必要でした。

改正法では、やむを得ない事情がなくても自分の責任で第三者へ業務を委任することを認めています。やむを得ない事情がある場合には遺言執行者が負う責任が軽減されます(改正民法101612項)。

3.遺言執行者の権限の内容が明確になった

従来、遺言執行者の権限の内容があいまいであったために相続人とトラブルになるケースがありました。そこで改正法では遺言執行者の権限の内容が明らかにされています。

遺言執行者は「遺言内容を実現」するとともに、遺言執行者が選任された場合には「遺贈の履行は遺言執行者のみができる(相続人は遺贈の手続きをできない)」事が明確化されました(改正民法1,01212項)。

4.相続させる遺言の執行についての権限が定められた

これまでの取扱いでは、遺言書に「相続させる」という文言があった場合、遺言執行者は相続登記などの手続きをする権限が認められませんでした。遺言執行者ができるのは「遺贈」の手続きであり「相続」の手続きではないという考え方だったのです。

しかしそのせいで、土地の名義変更が行われずに放置される例もあり、問題視されました。

改正相続法では、「相続させる」と書かれた場合にも遺言執行者が名義変更などの相続手続きを進められるようになりました(改正民法101423項)。

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5.遺言執行者への妨害行為について

相続人が遺言執行者の業務を妨害して遺産を第三者に譲渡した場合、そのような行為は基本的に無効です。ただし第三者が事情を知らない場合には保護されることが明らかになりました。

また相続人の債権者も相続財産に対して差押えなどの権利行使が可能であると規定されました(改正民法101323項)。

6.施行日

上記の遺言執行者についての規定が有効になるのは201971日以降の相続のケースです。

司法書士を遺言執行者に選任しておくと、相続トラブル防止につながります。これから遺言書を作成する方は是非とも検討してみてください。

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