特別受益の範囲についての改正点

遺産相続の際、生前に被相続人から生前贈与を受けた相続人がいたら、その相続人の遺産取得分を減らせます。生前贈与を受けたままにしておくと、他の相続人との間で不公平となるからです。このように相続人が被相続人から特別に受けた利益のことを「特別受益」と言います。

実は相続法の改正により、この「特別受益」の範囲が変更されています。

今回は特別受益の基本的な考え方と相続法の改正内容について、町田・相模原の司法書士が解説します。

1.特別受益と持ち戻し計算について

特別受益とは、相続人が被相続人からの遺贈、死因贈与、生前贈与によって受けた特別な利益です。

特別受益を受けた相続人がいる場合、遺産分割協議をするときにその相続人の遺産取得分を減らす計算をします。これを「特別受益の持ち戻し計算」と言います。

高額な生前贈与を受けたにもかかわらず、他の相続人と等分で遺産分割すると不公平になってしまうからです。

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2.特別受益の範囲についての変更

特別受益になる可能性があるのは、以下のものです。

  • 遺贈
  • 死因贈与
  • 一定の生前贈与

今回の法改正で変更のあったのは「生前贈与」に関する取扱いです。

従来の法律では「相続人への生前贈与」は「すべて」特別受益をみなされていました。すると30年前、50年前の学費の支援や就職祝いなども「特別受益」となります。

すると相続人たちが70歳を超えていても、兄弟姉妹がお互いに「あの子は就職したときに親から100万円もらった」「結婚したときに自動車を買ってもらった」などと主張し合い、古い話が蒸し返されて多くのトラブルが発生しました。証拠もないのに延々とお互いに特別受益の主張と反論が繰り返される事案も多数ありました。

そこで改正法では、生前贈与については特別受益になるものを「相続開始前10年間」に限定しました。それであれば、70歳の相続人が就職したときの就職祝いや結婚祝いなどを問題にする必要はなくなります。

証拠もほとんどない無益な争いを避けることで、相続手続きをスムーズに進められるように変わります。

3.今後の対策方法

今後は、遺産分割協議の際に10年より古い生前贈与を持ち出すことができなくなるので、従来の事案のようなトラブルは少なくなるでしょう。そうだとしても10年以内の生前贈与は特別受益の対象になります。

実は生前贈与をしても、贈与者が「特別受益の持ち戻し免除」をしておけば持ち戻し計算を避けられるのでトラブルのリスクを軽減できます。

生前贈与を受けるときには、遺言書などで「特別受益の持ち戻し計算免除」をしておいてもらうと安心です。

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4.改正法の施行時期

特別受益の範囲が変更する法律が施行されたのは201971日です。それ以降に発生した相続のケースでは特別受益の範囲が「相続開始前10年間」に限定されます。

遺産相続方法について疑問や不安をお持ちの方は、お気軽に町田・相模原の当司法書士事務所までご相談下さい。

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