ポイント2
引き続いて、相続法改正のポイントについて、町田・相模原の司法書士が解説していきます。
1.遺言制度に関する見直し
今回の相続法改正では、遺言制度も大きく変わります。変更されるのは「自筆証書遺言」です。自筆証書遺言は、これまで遺産目録も含めて全文自筆でないといけないという制限がありました。しかしこのようなことは、みながパソコンを利用する現代社会に合っていません。
そこで今回の法改正では、財産目録は自書しなくても良いことになりました。パソコンで作成したり、不動産の全部事項証明書や通帳のコピーを添附したりする方法でも遺言書が有効になります。ただし、財産目録のページごとに署名押印が必要です。
また自筆証書遺言を法務局で保管してもらえる制度も新設されました。
2.遺留分制度に関する見直し
これまで遺留分の返還を求めるときには、基本的に「物」の返還を求める必要がありました。つまり遺言によって不動産が遺贈された場合に遺留分減殺請求をすると、不動産の一部を返してもらうしかなかったのです。すると侵害者と権利者の共有状態になってしまい、その後に共有物分割請求などが必要になります。このようなことは二度手間ですしトラブルが長引いてしまいます。
そこで改正法では、遺留分の金銭的な取り戻しを認めました。不動産を遺贈された場合でも、不動産ではなくお金で遺留分を返してもらえるということです。
このことで、遺留分トラブルを早期かつスムーズに解決できることを期待できます。
3.相続の効力等に関する見直し
これまでは、不動産を相続しても登記する必要性が低く、登記していないことによる不利益は小さいものでした。このことで、登記されずに放置された所有者不明の不動産が増え、社会問題となりました。
そこで、今回の法改正により「不動産を相続した場合、登記しないと第三者に対抗できない」とされました。
つまり、登記していないと無権利者に不動産を取られてしまう高いリスクが発生するのです。このことで相続登記を促す効果があり、所有者不明の不動産が減ることが期待されています。
4.相続人以外の者の貢献を考慮するための方策
これまで、「寄与分」は相続人にしか認められていませんでした。つまり相続人以外の人が被相続人を献身的に介護などしても、その人には遺産を取得する権限が認められなかったのです。
今回の改正では、相続人以外の人であっても相続財産の形成や維持に貢献すれば、それに見合った金銭請求をできることとされました。このことで、より公平に遺産相続ができるようになります。
以上が相続法改正の概要です。相続関係で知りたいことがある場合、お気軽に町田・相模原の司法書士までご相談下さい。
新着情報・解決事例・お客様の声
- 2024年11月17日解決事例
- 2024年11月7日解決事例
- 2024年10月27日解決事例
- 2024年10月17日解決事例
- 2024年10月7日解決事例
- 2024年9月27日解決事例
- 2024年9月17日解決事例
- 2024年9月7日解決事例
- 2024年9月6日お知らせ
- 2024年8月27日解決事例