郵政民営化前の簡易生命保険の取扱いについて
死亡した方に生命保険がかけられていた場合、指定された「受取人」が死亡保険金を受け取れます。
受取人が指定されていないケースでは、相続人が法定相続分に応じて分割して保険金を取得することとなっています。
ただし、郵政民営化前の簡易生命保険については「簡易生命保険法」という法律が適用され、一般的な生命保険とは異なる扱いになります。
今回は、郵政民営化前の簡易生命保険の特殊な取扱いについて、町田・相模原の司法書士が解説します。
1.郵政民営化前の簡易生命保険とは
郵政民営化前の簡易生命保険とは、2007年10月にそれまで日本郵政公社が運営していた「郵便局」が民営化される前に契約された簡易生命保険です。
日本の郵便事業は、長らく国や国関係の特殊法人である「日本郵政公社」が運営してきましたが「郵政民営化法」により2007年10月から民営化されました。
それ以前に「郵便局」との間で契約された簡易保険が今回取り上げる「簡易生命保険」です。
2.簡易生命保険には特別なルールが適用される
郵政民営化前の簡易生命保険には「簡易生命保険法」という法律が適用されて、一般の生命保険とは異なるルールが設定されていました。
特に問題になるのは「受取人が指定されていなかった場合に保険金を受け取れる人」です。
一般の生命保険の場合、受取人が指定されていなかったら法定相続人が法定相続分に従って保険金請求権を取得できると考えられていますが、簡易生命保険の場合「簡易生命保険法」によって受取人の範囲と順番が別途指定されていました。
3.簡易生命保険の受取人
被保険者が死亡したとき、受取人が指定されていない場合の簡易生命保険の受取人は、「遺族」です。遺族は以下の順番で優先的に保険金を取得します。
- ①被保険者の配偶者(内縁の配偶者を含む)
- ②子ども
- ③父母
- ④孫
- ⑤祖父母
- ⑥兄弟姉妹
- ⑦被保険者の死亡当時被保険者に扶養されていた者
- ⑧被保険者を扶養していた者
民法では遺産相続できない「内縁の配偶者」も保険金受取人とされており、優先順位も民法の定める法定相続とは大きく異なります。
このような特殊性から、裁判でも「簡易生命保険の受取金は相続財産に入らない」と判断されています。
4.簡易生命保険法が適用される保険とは
簡易生命保険法は、2007年9月30日までに旧郵便局で契約された簡易生命保険に適用されます。今、簡易生命保険事業は「株式会社かんぽ生命保険」に引き継がれていますが、2007年9月末までに契約された簡易保険には簡易生命保険法が適用されます。
町田・相模原相続コンシェルジュセンターには生命保険関係のご相談が数多く寄せられています。対応に迷われた際には、お気軽にご相談下さい。
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