3.相続人の廃除が認められないケース | 【特集】相続人の排除

3.相続人の廃除が認められないケース

相続人廃除は家庭裁判所が厳格に審査に審査する制度で、申立てをしても認められないケースが少なくありません。

「子どもと折り合いが悪い」「長男に遺産を集中させたい」といった理由では廃除は認められないのです。

また暴力や犯罪があっても、程度が軽かったり証拠がなかったりすると難しくなります。本記事では、廃除が認められない5つのパターンを具体例とともに詳しく解説していきます。

相続人廃除が認められない5つのケース

相続人廃除は、家庭裁判所が厳格に審査する制度です。

単なる感情的対立や遺産配分の希望だけでは認められません。廃除が認められるには、相続人による重大な非行が必要となるからです。

実際には、「証拠不十分」「程度が軽い」と判断され、廃除が認められないケースが多くあります。また、被相続人側にも落ち度がある場合、廃除のハードルはさらに高くなるでしょう。

以下で認められない5つのパターンを詳しく解説していきます。

子どもと折り合いが悪い

単に「折り合いが悪い」「気に入らない」というだけでは相続人の廃除が認められません。相続人廃除には、暴力や暴言など、重大な迷惑行為が必要となります。

性格の不一致や価値観の違いは、廃除の正当な理由にはなりません。親子間の意見対立やコミュニケーション不足についても同様といえるでしょう。

裁判所は「相続権を奪うほどの重大な事情があるか」を厳しく判断します。感情的な理由だけでは、法的に廃除を認める根拠として不十分です。

関係改善の努力や家事調停などを先に検討することも大切になってきます。

なお、折り合いの悪さの原因が具体的な非行行為にある場合は、廃除が認められる可能性があります。

長男に遺産を集中させたいので次男や三男を廃除したい

「長男などの特定の相続人に遺産を集中させたい」という理由だけでは、廃除は認められません。相続人廃除は、被相続人への重大な非行があった場合に限って認められるからです。

遺産配分の希望は、廃除制度の趣旨とは根本的に異なるものといえます。

次男や三男が非行をしていなければ、そもそも廃除の要件を満たしません。遺産を特定の相続人に集中させたい場合は、別の方法を検討する必要があるでしょう。

一般的なのは、遺言書で相続分を指定する方法です。生前贈与を活用するという選択肢もあります。ただし、いずれについても遺留分の問題が生じる可能性があるため、専門家への相談をお勧めします。

暴力や暴言の程度が軽い、証明できない

暴力や暴言があったとしても、程度が軽ければ相続人廃除は認められません。たとえば「一回殴られた」という程度では、廃除できない可能性が高いでしょう。

また、暴力や暴言を証明できないケースでも、廃除は困難になりがちです。廃除の申立をすると、多くの場合、相続人側は暴言や暴力を否定してきます。

証拠がなければ主張が認められない可能性が高いです。有効な証拠としては、ケガの診断書、暴言の録音データ、メールの記録などが挙げられます。第三者の証言も有効な場合があるため、廃除を希望するなら日頃から証拠を集めておきましょう。

犯罪や迷惑の程度が軽い

犯罪や借金の肩代わりなどによって迷惑をかけられたとしても、程度が軽ければ廃除は認められません。

たとえば「子どもが万引きをした」という程度では、廃除原因にならないでしょう。「若いときに多少無茶な行動をとっていた」という事情も同様です。

廃除が認められるのは、より重大な迷惑行為があった場合に限られます。

具体的には、子どもが刑務所に入って親の人生も狂わされたようなケースが該当します。多額の借金を繰り返し肩代わりさせられた場合なども、廃除が認められる可能性があるでしょう。

裁判所は「被相続人の生活に重大な影響を与えたかどうか」を基準に判断します。一時的な迷惑行為ではなく、継続的かつ深刻な被害が求められるのです。

相続人も被相続人から迷惑をかけられていた

相続人が非行をしていたとしても、被相続人にも落ち度があれば廃除が難しくなります。

たとえば、父親がかつて愛人を作り、家族を捨てたケースを考えてみましょう。子どもが非常に辛く苦しい思いを強いられた過去がある場合です。

このような状況で、子どもが将来父親の介護を拒否したり、多少の暴言を吐いたりしても、廃除は認められにくいでしょう。

裁判所は「なぜ相続人がそのような行動をとったのか」という背景も考慮します。被相続人の過去の行為が原因であれば、情状酌量の対象となるのです。

双方に原因がある場合、廃除という重い処分を下すことは難しくなります。廃除を検討する際には、自身の過去の行為についても振り返ってみる必要があるでしょう。

 

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