2.相続人の廃除が認められる要件 | 【特集】相続人の排除
相続人の廃除をしたいと思っても、常に廃除が認められるわけではありません。「本来の権利者から相続権を完全に奪う」という強い効果が発生するので、認められるケースは非常に限定されています。
相続人の廃除が認められる要件について、民法は以下のように定めています。
- 民法892条
遺留分を有する推定相続人(相続が開始した場合に相続人となるべき者をいう。以下同じ。)が、被相続人に対して虐待をし、若しくはこれに重大な侮辱を加えたとき、又は推定相続人にその他の著しい非行があったときは、被相続人は、その推定相続人の廃除を家庭裁判所に請求することができる。
わかりやすく表現すると、以下の3種類のケースで相続人の廃除が認められると考えましょう。
2-1.相続人が被相続人を虐待した
子どもなどの相続人が親などの被相続人を虐待したケースです。暴力を振るった、食事を与えなかった、暴言を吐き続けて精神的に虐待した場合などに廃除が認められると考えましょう。
2-2.相続人が被相続人に重大な侮辱を与えた
子どもなどの相続人が親などの被相続人に酷い侮辱を与えた場合にも廃除が認められます。
親を蔑んだり名誉を害するような言動をとったり悪い評判を広めたりすると、廃除が認められる可能性があります。
2-3.相続人に著しい非行があった
上記以外でも、子どもなどの相続人が「非行」によって親などの被相続人に迷惑をかけた場合にも廃除が認められます。
たとえば以下のようなケースです。
- 借金を繰り返して親に多額の肩代わりをさせた
- 犯罪行為をして親に迷惑をかけた
- 親の会社を乗っ取った、財産を使い込んだ
上記のいずれかに該当しない限り、相続人の廃除は認められません。
相続させたくない相続人がいる場合には、まずは廃除の要件に該当するかどうか、検討しましょう。
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