2.遺言執行者を選任するメリット | 【特集】改正相続法
【特集】改正相続法の第二弾になります。今回のテーマは「遺言執行者を選任するメリット」です。
遺言執行者を選任すると、以下のようなメリットがあります。
2-1.相続人や受遺者に手間をかけずに済む
遺言執行者がいない場合、不動産の名義変更や預貯金払い戻しなどの相続手続きは、相続人や受遺者がしなければなりません。しかし相続人や受遺者が忙しかったり面倒に感じたりして、手続きをせず放置してしまうケースもあります。
遺言執行者がいれば、遺言執行者がすべての手続きを行います。特に今回の法改正により、遺言執行者が「不動産の相続登記」まで単独でできるようになったので、相続人に負担をかけずに済むようになりました。
遺言執行者を選任すると、相続人や受遺者の負担を減らして遺言内容を実現できるメリットがあるといえるでしょう。
2-2.相続トラブルが起こりにくくなる
死後に遺言書が発見されたとき、相続人達の反応はさまざまです。自分にとって有利な内容であれば満足するケースが多い反面、不利な内容になっていると不満を感じるでしょう。
不利益を受ける相続人は遺言書の内容を実現しないよう妨害しようとしたり、遺言書を隠したり書き換えたりしようとするかもしれません。親族同士の関係が悪化してしまうケースも多々あります。
遺言執行者がいれば、相続開始後に遺言執行者が粛々と手続きを進めるので、相続人が妨害したり遺言書を隠したりする余地が小さくなります。特に相続法改正によって遺言執行者の権限が強化されたため、相続人による妨害行為が認められなくなっている点にも着目すべきです。遺言執行者がいると、トラブルを防いでより確実に遺言内容を実現しやすいといえるでしょう。遺言執行者が介在することにより、遺言によって利益を受ける相続人と不利益を受ける相続人間の親族関係も、悪化しにくくなります。
2-3.遺言執行者にしかできないことを実現できる
遺言書ではさまざまな事項を指定できますが、中には遺言執行者にしかできない事柄があります。
- 子どもの認知
婚姻関係にない女性との間に子どもがいて生前に認知しなかった場合、死後に子どもを認知できます。 - 相続人の廃除、取消
被相続人を虐待したり侮辱したり、あるいは重大な非行があったりした相続人については、相続権を奪えます(相続人の廃除)。また、いったん廃除しても取消が可能です。
これらの手続きは、遺言執行者にしかできません。
遺言執行者を選任しておくと、死後、スムーズに子どもの認知や相続人廃除、取消ができるメリットもあります。
2-4.遺言者の希望を実現しやすくなる
遺言書を遺しても、内容が確実に実現されるとは限りません。たとえば「長男にすべての遺産を相続させる」と指定しても、相続人たちが遺産分割協議を行って異なる方法で遺産分割してしまう可能性もあります。法人や団体への寄付を指定しても、誰も寄付行為をしてくれない状況は充分にあり得るでしょう。
遺言執行者が選任されている場合、死亡後すぐに遺言執行者が相続登記などの手続を進めます。寄付を指定しておけば、きちんと責任をもって完了してもらえます。
遺言内容が実現されないリスクがほとんどなくなるのも、遺言執行者選任のメリットといえるでしょう。
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