5.遺言執行者の活用方法、お勧めするケース | 【特集】改正相続法

5.遺言執行者の活用方法、お勧めするケース

特集記事の第5回のテーマは「遺言執行者の活用方法」です。

以下で遺言執行者の上手な活用例や特に遺言執行者の選任をお勧めするパターンをいくつかご紹介します。

 

5-1.相続トラブルを防止したい方

相続人がたくさんいる場合や相続人同士の関係が疎遠な場合、仲が悪い場合などには、遺言執行者を選任するメリットが大きくなります。

相続人がたくさんいると、相続人や受遺者が他の相続人と連絡をとるのが大変になるでしょう。仲が悪い場合、遺言書に従って相続手続きを進めると、相続人間で大きなトラブルになる可能性も高くなります。一部の相続人が「遺言書は無効」と言い出して裁判沙汰になってしまう例も少なくありません。

遺言執行者がいれば、相続人がたくさんいても遺言執行者を中心に粛々と手続きを進められます。相続人同士の仲が悪くても、司法書士などの専門家が遺言執行者となって第三者としての立場で遺言執行を行えば、大きなトラブルにはつながりにくいでしょう。相続トラブルを避けたい方は、ぜひ遺言執行者を選任してみてください。

 

5-2.相続人に迷惑をかけずに遺言内容を実現したい方

現役世代の相続人たちは、何かと忙しくしているものです。遺産相続によって預貯金の解約払戻や不動産の相続登記、株式の名義変更などの手続きを行うのは、時間的労力的な負担となるでしょう。また遺言によって寄付をしたい場合、相続人には利益がないのに相続人に手間をかける結果になってしまいます。
こんなとき、遺言執行者を指定しておけば、相続人に迷惑をかけずに希望を実現できます。
「死後、なるべく子どもたちに迷惑をかけたくない」
そういった考えをお持ちであれば、ぜひ遺言執行者を活用してみてください。

 

5-3.相続人に不利益な遺言書を作成するケース

愛人に遺贈したいケースなど、相続人に不利益となる遺言書を作成するなら、必ず遺言執行者を指定するようお勧めします。

遺言執行者がいない場合、遺言書を発見した相続人が受遺者へ通知をして遺言内容を実現しなければなりません。しかし遺言書に「愛人に遺贈する」と書かれていたら、中身を見た相続人が遺言書を捨ててしまったり、手続きを妨害したりする可能性も懸念されるでしょう。相続人と愛人との間で大きなトラブルが発生するケースも少なくありません。

相続人に不利益な内容の遺言書を作成するなら、第三者を遺言執行者に選任して粛々と手続きを進められるよう段取りしておくべきといえます。愛人に限らず、「相続人以外の人」へ遺贈する場合には、基本的に遺言執行者を指定したおいた方が安心です。

 

5-4.子どもの認知や相続人廃除をしたい方

遺言書によって子どもを認知したい方、相続人の廃除や取消を行いたい方は、必ず遺言執行者を選任しましょう。これらの手続きは、遺言執行者でないとできないからです。
遺言書で遺言執行者や指定すべき人を定めなければ、死後に相続人が家庭裁判所へ申し立てて遺言執行者を選任してもらわねばなりません。相続人たちが放置すると、認知や相続人の廃除、取消などの目的を実現できない可能性も発生します。

また、子どもの認知や相続人廃除のために遺言執行者を選任するなら、相続人以外の専門家を選ぶようお勧めします。これらの手続きは、相続人にとって有益とは限らないからです。また役所や家庭裁判所での手続きが必要になり、指定された相続人がどのように対応すれば良いのかわからなくなるおそれもあります。

確実に、相続人に負担をかけずに希望を叶えるため、司法書士などの専門家を遺言執行者に選任しましょう。

 

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