相続人に未成年者が含まれるケース
状況
相模原市に在住のご主人が6月に亡くなり、未成年の子供2名を抱える奥様からのご相談でした。
相続財産は、不動産と預貯金があり、子供も小さいので全て奥様が相続する予定でした。
当初は費用を抑えるために自分で金融機関に赴き、相談をされていたのですが、相続人中に未成年者がいるということで、裁判所での手続きが必要だと金融機関の担当者から説明を受け、自分では手続きを進めることが難しくなり、金融機関の担当者から当センターを紹介されお手続きがスタートしました。
司法書士からの提案
未成年者は財産に関する法律行為を単独で行うことが出来ないので、一般的には相続人中に未成年者がいる場合には、法定代理人である親権者(今回の事例だと奥様)が未成年者に代わり、遺産分割協議を行います。
但し、今回の事例では、奥様は、亡くなられたご主人様の相続人に該当しますので、奥様が未成年の子供の代わりに遺産分割協議をすることを法律用語で『利益相反行為』といい、有効ではございません。
なので、親権者である、奥様の代わりに遺産分割協議をしてくれる特別代理人を家庭裁判所に申し立てる必要がありました。
奥様に確認すると、特別代理人になってくれそうな、親戚の方がいらっしゃるとのことでしたので、当センターで家庭裁判所に特別代理人の選任の申し立てを行い、その後の不動産及び預貯金の名義変更のお手続きをすることをご提案しました。
結果
当センタ―で、未成年者2名の、特別代理人選任申し立てを行い、奥様の親戚の方2名に特別代理人に就任して頂き、その後の遺産分割協議を進めました。
通常特別代理人が、選任されるケースでは、未成年の相続人の権利保護の為、法定相続分の割合以外での遺産分割協議は認められない事例が多いのですが、今回は、奥様がその未成年である子供の唯一の親権者であって、子供の一切の生活の面倒を見ているような事情がございましたので、法定相続分と異なる遺産分割内容であっても、裁判所に認めて頂き、奥様が全ての財産を相続するといった内容の遺産分割協議を結ぶことが出来て、相続したご主人の財産を、判断能力の不十分なお子様達に相続させることなく、全て奥様が相続することが出来ました。
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