【相続事例・相模原市】争族を回避するため、専門家に事務サポートを依頼
お客様のご状況
相模原市にお住まいのE様より、亡くなったお母様の相続手続きを仲介してほしいとご相談がありました。
E様のお父様は何年も前に亡くなっており、その後お母様は一人で町田市にあるご実家で一人暮らしをされていました。
E様は三姉妹の長女で、ほかの姉妹よりも近くに住んでいたこともあり、高齢になるにつれ身体の自由が効かなくなったお母様を心配し、頻繁にご実家に様子を見に行かれていました。
次女も、少し離れた都内に結婚をせずひとりで住んでいるのですが、やはりお母様が心配だということで、時間が合うときはE様とご一緒にお母様のお手伝いに通われていたそうです。
常にお母様の様子を気にされていたのですが、数日間連絡が取れなくなったため、心配してご実家を訪ねたところ、お母様が倒れているのを発見し、その後病院で診察を受け、すでに亡くなっていたことが確認されました。
突然のことでまだ気持ちの整理もついていないところに、疎遠となっていた三女から遺産を早く受け取りたいから手続きを進めてほしいと催促の連絡がきたそうです。
三女はお母様と折り合いが悪く、大学進学を機に家を出てからほとんど実家に帰ってくることがなく、お父様が亡くなったときも仕事の都合を口実に葬儀には顔を出さず、遺産相続にだけは連絡をしてきたそうです。
その時はお母様が相続人代表として手続きを行ったため、どのような争族があったのかはE様にはわからないのですが、その後三女とはまるっきり連絡を取り合うこともなく、実家に三女が連絡してくることもなかったそうです。
お母様は、ご実家のある町田市の土地家屋のほかに、預貯金や証券会社の口座や、株式、投資信託などの資産をお持ちでした。
遺産分割協議のために話合いをとE様がご提案されたのですが、次女はお母様と仲の良くなかった三女を嫌っており、三女と話し合いをしても話がこじれるだけだと拒否されています。
三女からは早く手続きをと督促の連絡がくるため、少しでも早く相続問題を解決したいとお考えですが、姉妹だけで話合っても協議がまとまるとは思えないため、争族を避けるためにも専門家に仲裁してもらえないかと、弊所の無料相談に来られらました。
弊所からのご提案
E様より、どのように遺産をわけたいかご要望をお伺いしたところ、相続人間で揉めないことを第一とし、法定相続分で相続したいとお考えでした。
次女様にもご同席いただき、E様のご要望を聞いていただいたところ、姉妹で揉めることをお母様は望んでいないだろうし、これで三女が納得するならばとご同意いただくことができました。
三女様には、相続手続きに必要な基本的な情報や流れをご説明し、相続人間での話し合いが円滑に進むための資料整理や情報提供を行いました。
相続財産の種類が多く、申告が必要な金額に達していたため、弊所で残高証明書などの必要書類を収集しました。
その後、相続財産に関する資料を整理し、提携している税理士に財産評価を実施していただき、最終的に、相続財産を一覧にまとめました。
また、有価証券などは、相続人である三姉妹に投資などの経験はなく、有価証券のまま保有したいとご希望されなかったため、とりあえず代表相続人であるE様に相続してもらい、有価証券の管理に必要な手続きについてご説明し、相続人の皆様からご希望を伺った上で、それに基づく書類の収集や整理をお手伝いいたしました。有価証券の売却手続きそのものや分配方法の決定は、相続人の皆様の判断に基づくものです。
結果
相続人の皆様から、遺産分割協議書に必要な事項をヒアリングし、それを基に書類を作成しました。(協議書の内容は相続人の合意事項をそのまま反映したもので、法的な助言や具体的な分割案の提示は一切行っておりません。)
証券会社に預けられている株式や投資信託を相続する場合、相続人がその証券会社で新たに口座を開設していることが必要です。
これは、相続した株式や投資信託を引き継ぐ際に、それらの金融資産を管理・取引するための口座が必要となるためで、相続人がその証券会社に既に口座を持っている場合は、新規で開設する必要はありませんが、持っていない場合は、証券会社の指定する手続きに従い、新たに口座を開設する必要があります。
E様のお母様は複数の証券会社とお取引をされていたので、代表相続人となるE様名義で各会社で口座を開設していただき、まず、お母様名義の口座から移管し、E様に売却手続きを行っていただき現金化するよう、弊所でお手伝いをさせていただきました。
このように現金化することで、相続財産を法定相続分で分割しやすくなり、相続税の納税資金もこちらから確保いたしました。
手続きをわかりやすくすることで、三女様のように公平な相続が行われるか不安に思われている相続人のかたにも、安心して納得していただくことができました。
相続人同士で直接意見を交わすことで起こる争族を、相続法に精通した専門家の事務的な支援により回避し、手続きも迅速に進めることができたと、E様や妹さまたちに安心していただくことができました。
ポイント
1.専門家の事務サポートで円滑な遺産分割を支援
相続人同士で直接話し合うことで発生し得るトラブル(いわゆる「争族」)を避けるため、専門家が中立的な立場で事務サポートを行い、手続きが円滑に進むよう支援しました。
特に、三女が疎遠だったことから公平性に不安を感じていたため、法定相続分に関する情報を共有し、全員が納得できる形で遺産分割協議が成立しました。
2. 複雑な財産の整理と手続きの代行
お母様が所有していた多種多様な財産(不動産、預貯金、株式、投資信託など)について、専門家が書類の収集・整理・評価を行いました。
特に、有価証券の現金化について説明し、相続人に分割しやすい形に整えたことで、スムーズな相続手続きと納税資金の確保を実現しました。
3. 公平性と迅速さを両立した手続き支援
株式や投資信託などの資産について、相続人が証券会社で新たに口座を開設し、財産を移管・売却する方法を説明しました。これにより、相続人全員に法定相続分に基づく情報を共有し、手続きが円滑に進むよう情報整理と事務的なサポートを行いました。
三女の「公平性」と「迅速さ」の要望にも配慮し、情報を整理することで最終的に全員が安心して納得できる結果を得ることができました。
親の急死により相続が発生した場合、特に兄弟姉妹との関係が疎遠であると、遺産分割に関して意見の相違が生じる可能性があります。そのような場合、冷静で公正な解決を図るためには、専門家に事務的な支援を依頼することが非常に重要です。
相続問題は感情的な側面が絡みやすく、特に家族間の関係が複雑な場合には、話し合いが難航することが多いです。自分たちだけで解決を試みると、誤解や対立が生じやすく、家族関係がさらに悪化する可能性があります。このような状況を避けるためには、第三者である専門家の冷静かつ客観的な視点が必要です。
専門家は相続法に精通しており、遺産分割の手続きや法的権利について正確に説明してくれるので、誤解や不公平な取り決めを防ぐことができます。
また、専門家が間に入り、事務的な支援を行うことで、家族間の感情的な衝突を最小限に抑えられます。第三者が仲介することで、感情的な部分を切り離して合理的に話し合うことが可能になります。
特定の誰かに有利または不利にならないよう、全員が納得できるような情報を共有することで、紛争を回避し、長期的に家族関係を保つことができます。
専門家に事務的な支援を依頼することは、家族全員にとっての精神的な負担を軽減し、適切で円満な解決を図るための有効な方法です。特に疎遠な関係にある家族がいる場合、専門家の力を借りることで、感情的な摩擦を避けつつ、公平で円満な相続を実現することができます。
家族と遺産のことで揉めそうなときは、是非森川司法書士事務所の無料相談にご相談ください。
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