【相続事例・相模原市】解決事例>親の本籍地がわからず相続放棄の手続きが進まない
お客様のご状況
相模原市にお住まいのA様より、もう20年以上連絡をとっていないお母様が亡くなったことでご相談がありました。
A様のご両親は20年以上前に離婚されました。
A様と妹様はすでに成人しており結婚されていましたが、まだ学生だった弟様はお父様に引き取られ、それ以降、お母様とは会ったことがないそうです。
唯一、お母様の連絡先を知っていたお父様が数年前に亡くなられたことで、完全に音信不通となっていたのですが、先日警察より連絡があり、お母様が亡くなられたと知りました。
お母様に対して良い思い出もなかったことから、このまま関わりたくないという弟様のご意見にA様たちも賛同されて、お母様がどのような生活をしていたのかわからないけれども、財産であろうと負債であろうと放棄することを決められました。
相続放棄の手続きについて調べたところ、いつまでに手続きをしなければならないのか、お母様がどこに住まれていたのか分からず、本籍地も不明、もしかして再婚していて他に兄弟がいるかもしれないなどと調べれば調べるうちにどのように手続きを進めればよいのかわからなくなり、弊所で相続に関しての無料相談を行っていることを知り、ご相談にこられました。
弊社からのご提案
相続を放棄するうえで気をつけなければいけないこととして、まず期限を守ることがあります。
相続放棄は、相続開始(被相続人の死亡)を知った日から3か月以内に家庭裁判所に申述しなければなりません。
この期間を過ぎると、単純承認(財産も負債も相続する)とみなされる可能性があります。
A様たちはお母様がどのような生活をされていたのかご存じなかったため、本籍地やほかの相続人の確認など、手続きを行ううえで調べなければいけないことがいくつかありました。
お仕事もされていることから、動ける時間もなかなかとれないとのお話でしたので、専門家である弊所で調査を行うことをご提案いたしました。
また、相続を放棄すると、自分の相続権がなくなり、次の順位の相続人(子が放棄すれば被相続人の親、親も放棄すれば被相続人の兄弟姉妹)に相続権が移ります。
親族間でトラブルにならないように事前にご説明いたしました。
相続放棄は個別に行うものなので、他の相続人が放棄しない場合は、負債を相続する可能性があります。
特に兄弟姉妹が相続人となる場合、負債を知らずに相続してしまうリスクがあるため注意が必要です。
A様のご兄弟にもご説明する機会を設け、弊所が協力することに納得いただき契約をしました。
結果
相続放棄の手続きに必要な最低限の情報は、お母様の本籍地、お母様の死亡時の住所、A様たちが相続の発生を知ったのはいつか、ということでした。
A様たちがいつ相続が発生した事実を知ったかというのは、警察から連絡があった日を覚えておられました。
お母様の本籍地、死亡時の住所に関しては、弊事務所の戸籍収集チームで協力し、A様の本籍地からさかのぼって調査を開始し、被相続人の住民票除票や戸籍の附票(住所を証明するため)、申述人の戸籍謄本(相続人であることを証明するため)、被相続人の死亡の記載がある戸籍謄本を収集いたしました。
それから、相続放棄申述書を作成し、お母様の最後の住所地を管轄する家庭裁判所に提出し、裁判所から「相続放棄の理由」などについて届いた質問書に対して期限内に正確に記載し、裁判所に受理していただき、無事に相続放棄が成立いたしました。
20年以上も連絡をとっていなかったお母様と関わることなく、迅速に手続きが完了したことで安心できたとA様やご兄弟に喜んでいただくことができました。
ポイント
1. 相続放棄の期限と必要な情報の確認
相続放棄の手続きは、相続開始(被相続人の死亡)を知った日から3か月以内 に家庭裁判所に申述しなければなりません。
A様はお母様と長年連絡を取っていなかったため、本籍地や死亡時の住所が不明でした。相続放棄には、被相続人の本籍地・死亡時の住所・相続を知った日 が必要となるため、期限内に情報を正確に把握する必要がありました。
2. 相続放棄の影響と家族間の調整
相続放棄をすると、次の順位の相続人(兄弟姉妹や親)へ相続権が移ります。
A様たちが放棄することで、他の親族が負債を相続する可能性があるため、専門家が事前に説明を行い、家族全員が納得する形で進めました。相続放棄は個別に行うものなので、他の相続人の存在を確認し、その意向も考慮する必要があります。
3. 専門家のサポートによる迅速な解決
相続放棄の手続きには、多くの書類収集や申請が必要となります。
特に今回のように、被相続人の本籍地や死亡時の住所が不明な場合、自力で調査するのは困難です。
専門家に依頼することで、短期間で必要書類を収集し、面倒な裁判所への申述を行うことで、相続放棄が迅速に受理され、余計なトラブルを回避できました。
A様の場合は、他に相続人もいなかったため、スムーズに手続きを完了することができましたが、以下のようなケースでは、相続放棄が認められない可能性があるので気をつけましょう。
①3か月の期限を過ぎている
②相続財産を処分している
③相続財産を使ってしまった
※ 特別な事情がある場合は、3か月を過ぎても認められることがあります(例:負債を知らなかった場合など)。弁護士に相談するとよいでしょう。
相続放棄をすべきかの判断基準として、 被相続人に多額の負債がないか、相続財産より負債のほうが大きいかどうか、相続人同士でトラブルにならないか、などに注意して判断しましょう。
負債の額が不明でプラスの財産がある可能性がある場合や、事業を継承する可能性がある場合、家族が住んでいる不動産がある場合は、限定承認といって「相続財産の範囲内で負債を支払う」という方法で、借金を財産の範囲で処理できる場合があります。
しかし、限定承認は相続人全員で手続きする必要があるため、現実的には利用が難しい場合もあるため、相続放棄は慎重に判断し、必要に応じて法律の専門家(弁護士・司法書士)に相談することをおすすめします。
森川司法書士事務所では気軽にご相談いただけるように無料相談をご用意しております。相続放棄だけでなく、手続きなどでなにかお困りのことがありましたら、森川司法書士事務所の無料相談を是非ご利用ください。
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